ビットコインと言われると、過去にニュースになったマウントゴックス(Mt.Gox)事件を連想する方もいらっしゃると思います。

 

マウントゴックス社とは、かつて世界最大のビットコイン取引量を誇ったビットコイン取引所(交換所)でした。ビットコインは日本ではほぼ普及していなかった時期ですが、マウントゴックス社は東京に所在していました。

 

2014年、日本に『マウントゴックス社が破綻』というニュースが流れました。

 

このニュースを聞いた時に、少し世の中に普及し始めたビットコインが一気に普及しないで終息へと向かっていきました。少なくとも日本ではそういう流れになっていきました。

なぜビットコインの普及に陰りが見えてきたというと、人々がそのニュースの意味を理解していなかったからです。

つまり、マウントゴックス社が破綻した理由を理解せず、なんとなく「ビットコインは怪しい」「ビットコインは怖い」と思い込んでしまったのです。

当時、テレビや雑誌などのメディアさえも、きちんとした詳細まで伝えることなく、ただただ「ビットコインを取り扱っていたマウントゴックス社が破綻しました。」と報道したどころか、結果的に「やはりビットコインは怪しいですね」と煽り立てました。

 

では、マウントゴックス社とは何をしていたところでしょうか?

 

マウントゴックス社は取引所の一つです。
わかりやすく円やドルなどの法定通貨で例えると、あなたが海外旅行に行く際、羽田空港や成田空港、関西国際空港などで円をドルやユーロなどの外貨に交換すると思います。

または日本に訪れた外国人が空港で自国の通貨から日本円に交換することもあると思いますが、空港にはそういった両替所がいくつも並んでいます。

そして並んでいる両替所は、それぞれ運営する母体も違います。例えば、みずほ銀行、三井住友銀行、地方銀行、もしくは両替専門に運営している会社もあります。

その中の一つが潰れたとしましょう。しかもその理由が「その両替所の社長が経営に失敗して潰れた」とします。

 

この場合、その両替所で扱っていた円やドル、ユーロや元などの通貨は怪しいですか?

 

そんなことはありませんよね?
例えその両替所が潰れても、その隣で運営している両替所で外貨に交換すれば問題ありません。

この場合、問題なのは円・ドル・ユーロなどの法定通貨ではなく、その両替所の経営者です。それと同じことがビットコイン両替所に起こったということです。

マウントゴックス社は世界中に存在する仮想通貨両替所(取引所)のひとつにすぎないのです。

 

そのマウントゴックス社の社長が自社にプールされていた(預けられていた)お金を横領したことで破綻しました。(横領していたという事実は後に明らかになったことです)

この場合、先ほどのたとえ話と一緒で、ビットコインには何も問題がありません。ビットコインの安全性・信頼とは無関係です。ただマウントゴックスの社長(マルクカルプレス)に問題があったということです。

マウントゴックスで扱っていたという理由だけで、「ビットコインは怪しい」「イーサリアムは怪しい」「リップルは怪しい」と思うのは間違っていた、ということがお分かりになったと思います。

 

これがマウントゴックス社が破綻した本当の理由です。私たち日本人は事件の本質を理解しないまま、そしてマスメディアが報道している内容を鵜呑みにしたことによって、「ビットコインは怪しい」と勝手に判断してしまいました。

本当はビットコイン自体は健全で、安全に正しく取引されており、これからも信頼され続けるでしょう。